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                       起業人の俳句よもやま話
  



  ・顔見世は世界の図なり夜寝ぬ人 西鶴

  顔見世とは十一月興業から歌舞伎の役者の顔ぶれを替えるので、
その紹介があったようです。これは劇場と役者との契約が十一月から1カ年
だったことに拠るようで、現在でも京都の南座に引き継がれているようです

  ・雑炊に風邪の父を起こしけり  外山

 中七の音数が足りないので「ふうじゃ」と読むのでしょうか?だから何なの?
という句ですね。時代と共に俳句も変わるのでしょう
虚子編の「季寄せ」は「写生」ばかりが強調されて、私にはつまらなく感じます

  ・もろもろの神一束や札納  鴻城子

 札納めと言うのは年末になって新しいお札を寺社から貰う時に古いお札を自社に
納めることを言います。しかし普通は行くたびに納札をするので「もろもろの神」と
云う事にはならない気がしますけどね

  ・煤籠り昼餉の時のすぎにけり 波津女

 昔はすることが無かったので、どこかの部屋に閉じこもって煤払いが終わるのを
待ったんでしょうね。今は「煤籠り」ではなく「煤逃げ」と言って外出してしまう事が
多いようです。年末の季語です。

  ・あばら家や其身その儘明の春  一茶

 正月が来たからと言って何が変わるものではない。と言ってるわけです。その通りですね。
何にも変わらない日々に変化を付け、気持ちを切り替える行事が正月なのでしょう。

 ・なめらかに御鎌ながるわかめかな 晴

 これは大晦日から元旦の朝にかけて門司で行われる和布刈神事です。
私も視に入ったことが有りますが、かなりの暗がりで行われます。先日NHKで天皇家の食事という
番組をやっていましたが、全国の特産物を天皇家が集めたと云う事でこの地では和布だったのでしょう。

 ・ 歩かすや初天神へ凧買ひに  一壺

 1月25日になると初天神と言う行事が行われます。これは天満宮の縁日です。
その日に当年初の天満宮参詣を行います。鷽替え行事もこの日に行われます。
去年の良くなかったことを嘘にするという行事ですね。

 ・ 葉牡丹の白鳥陵は雨の中  春樹

 葉牡丹と言うのはキャベツみたいですね
先日牡丹苑に葉牡丹も有ったので初めてみました。牡丹の花に似てると云う事から
名が付いたのでしょうが、なんか「葉っぱの癖に」という感じです。